Editorial methodology

記録の方針

ChronoCiteは、技術の名前ではなく、いつ何が起き、その判断をどの資料で確かめられるかを記録します。 事実は構造化データ、意味づけは解説本文として分離します。

00 / Time sense

時間感覚の癖と補助線

技術史の時間感覚は、年号の暗記ではなく「どちらが先か」「同じ頃に何があったか」 「自分からどれくらい遠いか」という相対関係の網だと考えています。そして歴史の記述と 人間の記憶には、この網を歪める癖があります。提案から普及までの過程がひとつの年号に 潰れる。順序を逆に覚える。技術の由来が消えて、有名な技術が無から現れたように見える。 自分の経験より前の時間が、ひとかたまりの「昔」になる。結果を知ったうえで、 当時の不確実さを忘れて語ってしまう——。

これらは読者だけの癖ではありません。記録している私自身も免れないので、 自分のためにも癖ごとの補助線を用意し、その一本一本に出典を張ることにしました。

順序の直感
発表・preview・GA・非推奨を別Eventに分け、前後ナビゲーションと系譜図で 由来と順序を追えるようにします。
同時代性
Topic別レーンとCompareで、別分野の同じ年を並べて見られるようにします。
自分との距離感
等尺のTimelineと「約◯年前」「約◯年後」の表示、そして2種類のアンカーで、 年号を自分からの距離に変換します。
当時の視界
事実(構造化データ)と解釈(本文)を分離し、終了・非推奨・敗退した技術も 成功した技術と同じ真剣さで収録します。

出来事より大きな「流れ」のスケールでは、ストーリー(編集部が選んで並べた読む順番)と Timelineの帯が縮尺を提供します。時代の線引きや「同じ主題の繰り返し」の同定は 出典で検証できる事実ではなく編集上の解釈なので、レビュー済みのストーリーとして 明示的に提示し、事実と混ぜません。

01 / Selection

掲載基準

新しい概念や方式、重要な仕様・論文、代表的な実装、発表・preview・GA、広範な採用、 技術の方向を変えた事件、後続技術との関係を説明できる出来事を対象にします。

記録する

  • 1 Eventにつき1マイルストーン
  • 標準と実装を別Entityとして扱う
  • 技術的意味を説明できる出来事

記録しない

  • 単なる機能追加や名称変更
  • 出典を確認できない伝聞
  • 未確定ロードマップや根拠の弱い世界初主張

現在収録しているEventは1977から2022-11-30までです。 収録は厳選方式のため、空白の期間・分野・系譜は歴史上の不在ではなく、 未収録の場合があります。

02 / Evidence

出典方針

原論文・仕様・RFC・議事録を最優先し、公式発表、当時の記録、同時代の記事、後年の専門解説の順に参照します。

  1. 原論文、仕様書、RFC、議事録
  2. 公式発表、公式リリースノート
  3. 当時の一次的な記録・アーカイブ
  4. 信頼性の高い同時代の記事
  5. 後年の専門的な解説
  6. 一般的な百科事典・まとめ記事

外部資料の本文・画像・ロゴは複製せず、自作の要約、書誌情報、locator、URLだけを保持します。AIは出典として扱いません。

03 / Date claims

日付と「最初」の扱い

日付は出典にある粒度のまま、年・月・日・年代で保持します。月しか分からない出来事を便宜上の月初にせず、 複数説がある場合はpreferredを1件選びつつ、異なるclaimと根拠を残します。

「世界初」「最初の〜」は定義依存です。無条件には使わず、公式資料の位置づけや対象範囲を限定し、 複数候補があれば見解の違いを残します。

04 / Display density

prominenceは表示密度

landmark(ランドマーク)
全体表示でも示す転換点
major(主要)
通常表示で示す主要項目
supporting(補助)
詳細表示で文脈を補う項目

これは歴史的重要性の絶対評価ではなく、画面の情報密度を制御する編集属性です。 Timelineの「表示密度」切替はこの3段に対応し、さらにランドマークとストーリーの帯だけへ 絞る「遠景」を持ちます。

05 / Review gate

AI利用と公開状態

AIは候補抽出と下書きにだけ使用します。AI補助で作成したEntityとEventはorigin: ai_assistedstatus: draftから始め、 人間が出典・日付・関係を確認し、reviewerを記録するまで公開状態にしません。 この確認を終えたレコードを、サイト上では「レビュー済み」バッジで表示します。

現在の公開対象83件は、出典・日付・関係を人間が確認し、すべてpublishedとしています。今後追加するAI補助データも、レビュー完了までは draftとしてAccess内のテスト/preview環境だけに配備します。

06 / Corrections

修正方法

誤りや追加の根拠は、公開修正窓口のIssue Formから提案できます。異説は既存情報を消さず、 別DateClaimまたは別relationとして根拠とともに追加します。提案内容は公開されるため、 個人情報、秘密情報、外部資料から転載した本文や画像を含めないでください。

修正提案フォーム

07 / License

ライセンス

サイト実装はMIT License、content/の自作データと解説はCC BY 4.0です。外部資料そのものの権利は各権利者に帰属します。

08 / Reference & personal anchors

アンカーと個人情報

対照アンカーは、iPhoneの発表やゲーム機の発売のように、多くの人の記憶とすでに 接続している他分野の出来事を、年代の目盛りとして使うためのEventです。他のEventと 同じく、通常の出典・日付・draft公開ゲートを通した記録です。Exploreの既定表示からは 除外し、TimelineとCompareで明示的に重ねます。

パーソナルアンカーはブラウザ内だけで計算し、保存・送信しません。URLへ含めるのは利用者が 共有操作をした場合だけです。生まれ年からの表示は日付を補わない暦年差なので、満年齢ではなく 「年齢目安」と表示します。

09 / Citation & distribution

引用とデータ配信

現在のデータ版は v2026.07、Gitリビジョンはa23caee16040です。引用時はサイト名、データ版、 Gitリビジョン、参照した安定URLを併記してください。

ChronoCite, data edition v2026.07, revision a23caee16040.

テスト/preview環境には将来のdraftが含まれる場合があります。事実の引用前に各レコードのstatusとevidenceを確認してください。現在の版は全対象の人間レビューを完了し、 公開ゲートを通過しています。

10 / Operator

運営

ChronoCiteは、nekoruriが個人プロジェクトとして運営しています。掲載内容の編集判断と 最終レビューはすべて運営者本人が行っています。連絡と修正提案は公開の修正提案窓口で受け付けます。 引用時のサイト表記は上記の推奨引用形式を参照してください。